白髪一雄さんのTシャツ

先日、尼崎総合文化センターで開催されていた、「村山明 木工芸の世界」を見に行った際に、入館料で階下にある「白髪一雄 記念室」の展示を見ることができました。
尼崎市出身の白髪一雄さんは、前衛美術グループ「具体美術協会」に所属されていた美術家。2008年に83歳で亡くなられましたが、キャンバスの上に絵具をぶちまけ、天井からぶら下げたロープにつかまって、素足で滑走して描くと言うアクションペインティングが印象的で、力強く大きなスケールの画を描かれる方でした。
白髪さんの「具体」の人のまねをするな。これまでになかったものを創れ。の理念に基づいて生み出された作品はどれも迫力あるものでした。また、子供向けの本の表紙を長年に渡り描かれるなど、人の心に染み入る絵を描かれる方だったようです。
白髪一雄さんのサインを染め抜いたTシャツが、会場に限定200部で販売されていたので思わず買ってしまいました。
具体美術協会は、兵庫県を中心に活動されていたこともあって、1972年に解散しましたが、所属されていた作家の方の作品を目にする機会が、兵庫県に住んでいることで、多いことが嬉しい限りです。
嶋本昭三さんの粘土の中に入れた火薬を爆発させて作ったオブジェ、元永定正さんの絵本、工房のほど近くにお住いの向井修二さんのご自宅を訪問させてもらったり、堀尾貞治さんには、工房にお出でいただいて、インスタレーション作品を作ってもらったり、沢山の刺激をいただきました。
そして、最近世界中で「具体」が再評価され、人気が高まっているのがまた嬉しいことです。

 

 

 

 

 

 

 

2019年7月15日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

人間国宝 村山 明 木工芸の世界 展

昨日は、尼崎市総合文化センターで開催されている「木に活きる50年 人間国宝 村山明 木工芸の世界」展を見てきました。
私が、ほとんど独学で刳りものによる器作りを始めたころ、もう30年ほど前の話ですが、どうしても作った木の器に拭き漆塗りがしてみたかったのですが、漆塗りを習う場所がなかなかありませんでした。
そんな時、当時、村山 明さんが講師を務めておられた、大阪のカルチャー教室に長く通っておられた方と知り会って、拭き漆塗りのごく基本的なことなら教えてあげましょうと、その方の手ほどきで、拭き漆塗りを始めたのが、漆を扱う出発点でした。
その方は、村山先生は、拭き漆塗りは、いかに研ぎを丁寧に根気よくするかが、大切な事だとおしゃっておられたと言うのが、今でも頭に残っています。
村山 明さんから直接手ほどきを受けた訳ではまったくありませんが、そのエッセンスのようなものは、私の漆塗りにほんの少しは残っていると思います。
そして確か1991年に初めて、うめだの阪急百貨店で開催された村山 明さんの個展を見に行って、その作品の美しさとすごさに圧倒されました。
ちょうど在廊されていた村山さんに直接、漆塗りの技法について質問させていただいて、丁寧に対応していていただいた記憶があります。
正直、それ以来、沢山の作品を見る機会がなかったのですが、村山さんが人間国宝となり、尼崎市の出身ということで、尼崎市での作品展の機会が持たれたようです。
凛とした造形美と、木の美しさを最大限に引き出した漆塗りの作品はどれも素晴らしいものばかりでした。
会場で上映されていた、文化庁制作の「村山 明のわざ」と言う30分ほどの、ひとつの作品の木取りから出来上がりまでのビデオを食い入るように見て帰りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年7月13日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

だ円の茶托を彫る

9月に磁器陶器の作家の方との展示会を予定しているので、それに向けての作品の制作にかかっています。
磁器に似合う木の器を一定意識しながらの制作です。
日頃は、厚くぽってりとした木の器を作ることが多いのですが、磁器の薄くて繊細な雰囲気に合わせることも考えて、少し薄目の厚さ16ミリ程度の栗の木を彫ってだ円の茶托を作りました。とは言え自分らしさも意識して彫りはおおらかな彫りにしました。
磁器の作家の方は、白を基調に優しい模様を描かれる方なので、茶托の色は、つや消しの黒い漆塗りで仕上げたいと思います。
茶托を意識して作っていますが、銘々皿としても使えると思います。

 

 

 

 

 

 

2019年7月10日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

夏の兵庫県立丹波年輪の里

今日は、所用で兵庫県丹波市にある、兵庫県立丹波年輪の里に行ってきました。梅雨の晴れ間の施設と公園の緑がとても美しく感じられる日でした。
兵庫県立丹波年輪の里は、「木とのふれあい」をテーマとする文化・スポーツ・レクリェーション活動のための施設で、1988年に開館しました。
木工クラフトや絵画などの文化教室、国内随一の木工玩具クラフト作品公募展「丹波の森ウッドクラフト展」も開催しています。
私は、施設がが開設した翌年、ちょうど木の器作りを始めて間もないころに、木工に関連する施設ができたことを知って、初めて伺ったと思います。
以来この施設とのかかわりの中で、木の器作りを仕事にしてみようと言う思いを現実にしてきたと思います。
最初は、木工のことに本当に素人で、木をどこで買ったらいいのか判らず、ここの職員の方に施設の木材を販売してもらいました。そしてその時初めて、木材は1立方メートルの値段で価格が決まることを教えてもらいました。
そして、木工玩具クラフト作品公募展「丹波の森ウッドクラフト展」があることを知り、9度目の応募で大賞のグランプリを受賞しました。
同会場で秋に開催されている、アートクラフトフェスティバルinたんばに出展し、多くの作家の方と知り合い、ギャラリーや工芸店の方の勧めで、販路を広げていきました。また、講座の「刃研ぎ塾」で刃物研ぎの基本を学びました。
本当に木工素人だった私が、脱サラして職業としてやっているのは、この施設との出会いのおかげと言っても過言ではないと思います。
この緑にかこまれた美しい施設と、いつも親切に対応してくださる職員の方に感謝しています。

 

 

 

 

 

 

 

2019年の後半に向けて始動

2019年、春から初夏にかけて慌ただしく展示会を重ねていきましたが、6月末で一区切りとなりました。
4月の「丹波ウッドワーカーズクラフト」に始まって、5月は、「工房えらむ工房展」「ひめじアーティストフェスティバル」「阪急うめだ本店 暮らしのアトリエ 工房えらむの木の器のある暮らし展」、6月は「クラフトデザイン展in島根(おかやギャラリー)」「工房えらむ 木の器と織展(器と雑貨moi)」と、私にとっては少し過密スケジュールでした。
7月に入って少しゆっくりしたいところですが、9月には木の器の大きな企画展を予定していただいているので、オーダー品の制作と平行しながら、秋に向けて始動となりました。
このような状況で、毎年10月に地元、兵庫県丹波市で開催される「アート・クラフトフェスティバルinたんば」に、初めての出展以来休むことなく20年以上参加してきたのですが、今年は参加を取りやめることにしました。
私たちの、今日の活動の礎となったクラフトフェアであることは間違いなく、今こうして少し忙しく仕事をさせていただいているのも、このクラフトフェアとのおかげと思っています。
いろいろな思いを抱きながら、よい作品をお届けできるよう2019年の後半に向けて頑張りたいと思います。

 

 

 

 

 

2019年7月3日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

器と雑貨 moiさんでのワークショップ

2019年6月22日(土)から6月30日(日)まで、兵庫県加古川市にあるおしゃれなお店「器と雑貨 moi」にて、工房えらむ 木の器と織展を開催させていただいています。
今日は、展示会の終盤ということで、お客様とともにワークショップをさせていただきました。
クルミの木を彫って6角形のお皿を作るワークショップです。
みなさん最初は、初めて持つ大きな彫刻刀での彫りに戸惑いながらも、次第に彫刻刀の扱いに馴れるほどに、サクサクと木を彫る感触を楽しまれておられたように思います。
けっこう彫る面積の広いワークショップですが、みなさんお皿の表、裏をしっかり彫っていただいて、それぞれの味わい深いお皿が彫り上がりました。
最後は、クルミオイルを塗って、鮮やかに変身したクルミのお皿を楽しまれました。
ご参加いただいた皆さんお疲れ様でした。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

雑誌「住む。」の掲載から1年

雑誌「住む。」2018年夏 66号に工房えらむの建物をテーマとした記事を掲載していただいてちょうど1年になります。
工房の建物の2階部分を、私たちの常設ギャラリーにして、月1回の定期Openを始めたことを、雑誌「住む。」のページの最後の方にある読者のページに掲載してほしくて、手紙を書いたのがきっかけでした。
ただ、一般的な掲載の依頼だけでは多分取り上げていただけないだろうと思い、建物を廃材で、建築家の方と一緒に手作りしたことも書いて、写真を添えて出版社へ送りました。
その後、読者のページに掲載されることもなく3年が過ぎた昨年春に、編集長さんから建物の取材依頼のメールをいただきました。その後編集長さんとお話をすると、雑誌のポリシーとして、建物が完成してから、しっかり人や暮らしに馴染んだところで取材することにしているので、興味のある投稿はしばらく寝かせておいたんですよとのことでした。なるほどその通りだと感心しました。
掲載雑誌の発売からちょうど1年が経ちました。沢山の方から雑誌読みましたよとか、思いがけない方から雑誌買いましたと、お声がけいただきました。
建物のある地区の方から、雑誌を買ったので、隣保間の回覧板と一緒に回覧しといたよと仰っていただいて、地域の方にも楽しんでいただけたのかなと嬉しく思いました。
同じ号の雑誌に掲載された工務店の方と相互に訪問し合ったり、それがご縁で知り合うことができた方があったりと、雑誌のご縁で多くの方と知り合うことができました。
SNSを通じて建物や工房活動に興味を持ちましたとお声がけいただいた方もあり、また沢山の励ましの言葉をいただきましたことを、本当に嬉しく思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月25日 | カテゴリー : 工房のこと | 投稿者 : えらむ

器と雑貨 moiへの搬入

2019年6月22日(土)から6月30日(日)まで、兵庫県加古川市にあるおしゃれなお店「器と雑貨 moi」にて、工房えらむ 木の器と織展を開催させていただきます。
今日は作品を搬入してきました。
木の器は、漆塗りの皿、鉢、お椀などとともに、オイル仕上げのパン皿やカッティングボード、カトラリーなども少し多めに展示販売します。
織作品は、織衣、マフラー、鞄、アクセサリーなどを展示販売します。
お店には、私たちの作品以外にも素敵な雑貨や器が販売されています。お気軽にお立ち寄りください。

器と雑貨 moi  兵庫県加古川市北在家2482 TEL 079-422-3566
期間 2019年 6月22日(土)~6月30日(日) 休み 25日(火)  10:30~17:30

6月29日(土) 13:00~15:30には、クルミの木を彫って6角形のお皿を作るワークショップを開催します。
6角形のお皿 約12×12×厚さ1.5センチ
参加費 材料費税込み3.240円 定員6名
参加ご希望の方は、器と雑貨 moiさん(TEL 079-422-3566) へ直接お申し込みください。

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月20日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

器と雑貨 moi での工房えらむ木の器と織展

2019年6月22日から6月30日まで、兵庫県加古川市にある「器と雑貨 moi」にて、工房えらむ 木の器と織展を開催いたします。
工房の隣町にある、おしゃれな器と雑貨のお店での木の器と織作品の展示会です。
木の器は、漆塗りの器やお盆などに加えて、カジュアルに使える、オイル仕上げのお皿やカッティングボードを少し多めに用意する予定です。
織作品は、織衣、マフラー、鞄、アクセサリーなどを用意する予定です。

6月29日(土)13:00~15:30には、クルミの木を彫って6角形のお皿を作るワークショップを開催します。
6角形のお皿 約12×12×厚さ1.5センチ
参加費 材料費税込み3.240円 定員6名
参加ご希望の方は、器と雑貨 moiさんへ直接お申し込みください。

 

 

 

 

 

どうぞお気軽にお立ち寄りください。

器と雑貨 moi 兵庫県加古川市北在家2482  moiホームページ
TEL 079-422-3566

日時 2019年 6月22日(土)~6月30日(日) 休み25日(火)
10:30~17:30

フリーハンドのお椀を彫る

栗の木と栃の木でフリーハンドのお椀を彫りました。
材を見極めながら、フリーハンドでお椀の口を描いていきます。
口径も厚みもすべて異なります。
1点ものばかりなので、持った感じ、口当たりがみんな違うのものですが、それぞれがいつか、求める人のところに届くことを願って彫っています。
工業製品的に、使いやすく、完成度の高い器を量産して安定供給することも大切なことですが、この世にひとつしかない気まぐれな器が、いつかぴったりと合う人と出会うことがあれば、これもまた楽しいことではないかと思います。
ひとつずつ手で彫って作ると言う作業だからできる器の役割は、こんなところにあるのかもしれません。

手彫りのお椀手彫りのお椀

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月11日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ