神戸の松尾ビル

神戸に出かける機会があったので、JR神戸駅近くの元町通6丁目にある松尾ビルに立ち寄りました。
松尾ビルは、大正14年に建てられた、大変古いビルですが、私が一番お気に入りのビル。
周りのホテルやマンションに取り囲まれ、今はひっそりとたたずむビルですが、古いながらもとてもモダンなビルで、窓の造りや、ステンドグラス、ヨーロッパ風の柱など、どこを切り取っても絵になるビルです。極めつけは、大正時代のエレベーター、蛇腹式の鉄格子のような扉と、時計のような階を示す表示板がなんともレトロ。そんなビルのせいか、アーティストや美術家の方がアトリエを構えておられ、ギャラリーなどアート関係の方が多く入居されています。
2階には、親しくしていただいているジュエリーアーティストの石原辰朗さんのアトリエ・タツがあり、とてもアーティスティックなジュエリーが魅力的でです。以前、同ビルの空き部屋で、写真家の加藤加奈さんが石原さんのジュエリーを身に着けた、外国人モデルの写真展をされた時は、アンティークな部屋の雰囲気とぴったりマッチして、本当に素敵でした。
ビルには、イラストレーターのWAKKUNこと湧嶋克己さんのアトリエ、そして近く、神戸のギャラリー北野坂で個展をしますと案内をいただいた、画家の領家裕隆さんのアトリエもあり、私は、ここが神戸で一番アーティスティックなビルではないかと思っています。

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入れ子の角鉢を彫る

栗材で入れ子の角鉢を彫りました。
コンパクトに収納できる、入れ子の器は、個人的に好きな器のスタイルです。
栗材の端材を集めて、大きさ、厚みの異なる3個一組の入れ子にしました。
いろいろな大きさの端材の有効活用も兼ねて、作っていますが、杢目も木味も異なる材が組み合わさって、一つの器になるのも面白く感じます。
今回は、厚みを調整しながら、収まりを考えて作りました。入れ子は、収納した時の美しさみたいなものが、ひとつのポイントになるかと思いますが、なかなか難しいです。
そして、入れ子の器にすると、一作品作るのに、たくさん彫らなければならないのが大変です。
拭き漆塗りで仕上げる予定です。

入れ子 木の器

 

 

 

 

 

 

 

2015年6月26日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

5寸鉢の塗り上がり

先月彫り上がった、栗材の5寸鉢(約15センチ径)の漆塗りが終わりました。
栗材の杢目を生かしつつも、目立ちすぎないよう、少し黒くして、拭き漆塗りで仕上げました。
この梅雨の時期は、漆の乾きが非常に良く、早いペースで塗り上がり、じっくり乾かすことができました。
一般的に漆が乾く条件として、湿度は70〜80%、温度は24〜28度位が最適と言われていますが、この時期は、ほとんどこの条件に近いので、温度、湿度管理をしなくても、しっかり直ぐ乾きます。
私の使っている漆室の扉は開けっ放しで、なにもすることがないので、一番楽な季節です。漆室といっても、古い洋服ダンスを改造しただけのものなので、特別なものではありませんが。

木の器

 

 

 

 

 

 

 

2015年6月23日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

工房へのアクセスについて

今月6月より工房ギャラリーを月1回定期Openさせていただくことにしました。
毎月第3土曜日から、日曜、月曜の3日間10:00〜16:00 Openいたします(※休みの月もありますので、あらかじめホームページをご確認ください)。
今月は、6月20日(土)、21日(日)、22日(月)の3日間Openです。

工房に行きたいのだけれど、場所がよく判らないというお問い合わせを、よくいただきますので、ご案内させていただきます。
工房の周辺には、公共交通機関がありませんので、お車でお越しいただくことになります。
最寄りの高速道路は、山陽自動車道の三木小野インターが最寄です。インターを出たところが国道175号線になります。北へ3キロほど行ったところにある、天神町交差点を東へ県道353号線を忠実に6キロほど進んだ県道沿いに工房の小さな看板があります。途中、お蕎麦屋さんの向かいにあるお寺まで来るとあと1キロ弱で、その後ため池が出てくると、あと100メートルのところです。工房の看板横の狭い急坂を上がったところに駐車場があります。入口が狭い急坂になっていますのでゆっくりと気をつけて上がってください。
カーナビで来られると、工房の住所入力では、かなり外れたところに案内されますので、住所入力はしないでください。ナビには、工房の最寄りのある「蓬莱運送(ほうらいうんそう)」さんを入力して来て下さい。工房はそこから、県道沿いの100メートル東になります。「蓬莱運送」さんは、今のところ全国に1社だけのようですので、小野市万勝寺町と表示されれば、間違いありません。
最近Googleマップにも、工房が表示されるようになりました。ストリートビューでは、工房の看板も確認できますので、おおよその位置関係を確認していただくと判り易いと思います。
不便なところですが、気をつけてお越しください。

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2015年6月19日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

しずくの片口

最近つくり始めたのが、しずくのかたちをした片口。
木の片口は好きで、以前からよく作っていたのですが、ほとんど厚い木を深く彫り込んだものでした。
今回は、厚さ3センチ位の板を彫った、浅いものです。
板の個性を少し生かしながら、フリーハンドで木取りします。注ぎ口が左右に少し傾いているのも、しずくらしくて面白いかなと思っています。
用途は、もちろんソースや出汁を注ぐのに使えますが、浅いので、小鉢として使うのもおもしろいのではないかと思います。
写真の片口は、栃の木の杢目の面白いところを使って、拭き漆塗りで仕上げています。

木の片口

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年6月16日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

第5回 一脚展を見てきました

現在、神戸市の竹中大工道具館で開催されている「第5回一脚展 座れる兵庫の新作椅子展+木の工房家具展」を、親しくしていただいている木工家の方が運営され、案内をいただいたので見てきました。
会場は、1984年に神戸市中山手に設立された、日本で唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」が、2014年秋、新神戸駅近くの竹中工務店ゆかりの地に移転して新たに開館されている施設の1階ホールですが、都心とは思えない、素晴らしい庭園に囲まれた、落ち着いた佇まいの会場です。
会場には、14名の木工作家が製作された新作の椅子一脚と家具が並べられ、椅子は、すべて座ることができ、アンケートにより、デザインや坐り心地を投票できるようになっています。
いずれの椅子も、日々の仕事の中から生まれてくる、座り心地と機能性を満たした椅子で、シンプルなものが多いと感じました
ちょうど会場には、著名な木工作家の方も沢山来場されておられ、展示会への関心の高さも感じました。
新しくなった竹中大工道具館の展示品も見てきました。
収集された古い時代の優れた道具は、とても見ごたえがあり、「道具」を使いこなす「人」の技と知恵や心、そこから生まれる「建築」とそれを取り巻く木の文化について、紹介されており、木工好きにはとても興味深い施設となっています。

一脚展は2015年6月14日までです。 詳細はホームページにて

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2015年6月11日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

隅切りの器を彫る

厚さ3センチの栗の木で、7寸角(約21センチ)の隅切りの器を彫っています。
彫りに使う鑿は、3分の平鑿と、あとはほとんど1寸の丸鑿が中心。
巾の広い丸鑿を多用し、そして細かい線引きはぜず、ほとんど見た目の感覚でだけで彫っていますので、彫りは全体的にざっくりとしたものです。なので同じものを彫っても少々不揃い感はあります。
栗の木のまったりとした杢目を生かしながら、黒いつや消しの漆で仕上げます。
色々な場面で、気軽に使っていただける器になれば良いのですが。

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2015年6月5日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

朝日現代クラフト展の思い出

ちょうど5月の下旬の今頃になると、確か2009年に開催を終了した、「朝日現代クラフト展」が開催されていたころを思い出します。
毎年この頃になると、朝日新聞の夕刊に「朝日現代クラフト展」の受賞作品と講評が大きく記事として取り上げられていました。
初めてこの展示会に出会ったのは、20年ほど前、何のあてもなく木の器を作り続けていたころ、この夕刊に掲載された写真のクラフト作品に衝撃を受けました。そしてその作品の講評が、現代クラフトってなんだ!という出会いをもたらしてくれました。もうこれは見に行くしかないと、メイン会場の大阪梅田の阪急百貨店にでかけました。広く薄暗い会場に展示された、巨大とも思えるクラフト作品、そしてありとあらゆる技法で、強いメッセージを発して来るような作品、これは何だとまた衝撃を受け、会場の雰囲気にのまれながら、ふわふわと見て回った記憶があります。その後数年は、ちょうどバブル期の前後だった頃でもあったせいか、出展作品の購入予約も相当なもので、当時は異様な熱気に包まれていたような気がします。
作品は、決してアバンギャルドなものばかりではなく、高度な技術を駆使しながら、挑戦的で斬新な作品が入賞し、高く評価されていました。多くの公募展が東京を起点に地方へ巡回して行くのに対し、朝日現代クラフト展は、大阪を起点に東京、福岡と巡回していくのもおもしろいところでした。
やがて、百貨店の展示場所も変わり、会場も狭くなり、熱く感じていた熱気もたんだん落ち着いてきたかなと感じたころ、クラフト展は、その幕を閉じることになりました。
5月の今頃になると、あの熱い衝撃を感じさせてくれる、現代クラフトとは何か?を問うクラフト展がまた復活しないかと思います。

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2015年5月29日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

木のスプーンづくりワークショップ

5月25日(月)、兵庫県多可郡多可町中区にある、多可町北播磨余暇村公園内 の「カフェ  チャッタナの森」主催の木工教室「木のスプーンづくりワークショップ」で講師を担当させていただきました。
定員10名の募集ということでしたが、最終的に定員を超える11名での講習となりました。
予め木取りしておいたクルミの木の、5種類の形状のスプーンの中から好みのスプーンを選んでいただき、個々のオリジナル性を重要視しながら、マイスプーンを作っていただきました。
森の中の高台に位置するカフェから望む森は、とりわけ新緑が鮮やかで、素晴らしい風景。そして素敵なBGMをバックにゆったりとした雰囲気でワークショップを行いました。
ワークショップの最後は、出来立てのマイスプーンで、カフェ自慢のカレーを頂き、それそれの出来栄えを確認して終了しました。
参加いただいた皆さんお疲れさまでした。

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小鉢を彫る

栗の木で5寸径の小鉢を彫っています。
4月下旬から5月中旬まで、展示会が続き、その後も色々な方が工房へお見えになったりと、ばたばたと過ごしていましたが、最近やっと落ち着いて、製作モードに戻って来ました。とは言っても作品の製作スピードの遅さは、相変わらずです。
4センチ厚の栗の木を、15センチの円を基準にフリーハンドで下書きをします。意外とこのフリーハンドと言うのが、思うようにいかなくて、自然なラインにはなかなかなりません。
15センチ径ともなると、少し電動工具で荒彫りできるので、それから丸鑿で彫っていきます。フリーハンドのラインも丸鑿でざっくりと彫りながら、また調整しながらの製作です。
このような仕事は、数を作ることで、自然な美しい作品が出来るようになるのではないかと思います。そういう意味では、まだまだもっと作品を作り込まなければダメではないかと感じています。

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2015年5月23日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ