大皿をつくる

栗や欅の木は、ひとつひとつに個性がはっきりとしていて、おもしろい味のあるものがたくさんあります。
味のある木があると、できるだけその個性を生かして器にしたくなります。そんな木を切り刻んで、小さな器を作るのはどうも、もったいなくて、どうしても大きな器になってしまいます。
かと言って、あまり杢目ばかり強調すると、杢目のきれいな、大きい飾りもののような器になってしまうので、実用性を考えると、そのあたりが難しいところです。
以前、製作した大皿を購入いただいたお客様から、陶器の大皿はとても重くなるけれど、木の大皿は、軽くて扱い易いし、収納も食器棚の中の陶器の上に、どんと載せて置くこともできるし、場所がなければ隅に立てかけて置いておくこともできるので、便利とのことでした。
作ったのは、どちらも40センチ×30センチほどの大皿。
左は欅材に拭き漆の角皿。 右は栗材に拭き漆の楕円皿。

木の器 角皿木の器 だ円皿

 

 

 

 

 

 

 

2015年1月17日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

一点ものの作品作り

日頃の刳り物による木の器作りは、とてもスローな手作業中心で、木とじっくり向き合いながらの製作になります。
刳り物には、個性を持ったいろいな木との出会いを楽しみながら、どう器としてかたち作っていくのか、考えを巡らし製作する、まさに一点ものの作品作りの面白さがあると思います。
今回、屋久杉のなんとも個性的な、板のような塊のような木から、何か器を作ってほしいと言う依頼をいただいて、製作しました。
節もあり、入り皮もあり、樹皮ある難題です。個性的な木ほど、考えを巡らせる楽しみもあるのですが、さすがにすぐにかかれず、2ヶ月位考えてようやく器にしました。仕上げは漆塗りにして、実用的な器に仕上げる予定です。
機会があれば、捨てられない木、思い出の木や旧家の廃材など、いろいろな木にチャレンジしていきたいと思います。
こんな木で器はできませんか、と言うお問い合わせ、ご依頼も歓迎いたします。

(写真上段は加工前の屋久杉材の表裏・下段は加工後の器の表裏)

DSC09523DSC09526

 

 

 

 

 

 

DSC09601DSC09605

2015年1月13日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

今日から第54回日本クラフト展

今日1月10日より、所属している公益社団法人 日本クラフトデザイン協会主催の、第54回日本クラフト展が東京六本木の東京ミッドタウン・デザインハブで開催されます。
956点の応募作品より入選した一般及び学生作品374点と、会員作品398点のクラフト作品が展示されます。
最近は、若い世代の応募が多いようです。とくに学生の応募が増え、新しいクラフトの未来を予感させてくれる印象があります。
写真は今回出品した、木の実をイメージした器です。
日頃製作している刳り物の木の器のバリエーションとして、木が年輪を刻む姿を重ねあわせて、細かい鎬(しのぎ)を刻むことで、人と自然とのかかわりを表現しています。

鎬の木の器

 

 

 

 

 

 

 

2015年1月10日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

細かい鎬(しのぎ)の器

最近、木の器に細かい鎬(しのぎ)を入れた作品を作っています。
鎬紋とは、本来は、刀剣の刃と峰の間に貫いて走る稜線のことを言うようですが、陶芸などの技法としては、素地(きじ)の表面に、凹みを付けて模様にするものです。凹みは放射状や、平行線で、連続して削ずり、その境は凸状の筋になります。この筋を鎬と言います。
これまで、鎬を入れた作品は作っていましたが、どれも比較的太い鎬でした。最近、杢目に逆らって、細かい鎬を彫って見たところ、鎬の奥に現れる杢目が何となく面白くて、ちょっとしたマイブーム的に作っています。
細い彫刻刀や丸鑿で彫るのですが、細かい分、彫る数が増えるので、時間と労力がかかるのが大変です。それでも年輪を重ねた杢目の数のように、人の手を加えていく作業もまた感慨深いものを感じます。
1月10日から東京ミッドタウン・デザインハブで始まる、第54回日本クラフト展の作品も、栗材に細かい鎬を入れた器を出品しています。機会がございましたら、ご高覧いただければと思います。

DSC09065DSC09068

 

 

 

 

 

 

 

2015年1月6日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

2015年 新年明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。
2015年の幕開けです。工房えらむの活動も4年目を迎えます。
今年の最初の大きなイベントは、テーブルウェア・フェスティバル2015への参加になるようです。
フェスティバルの初日には、テーブルウェア大賞オリジナルデザイン部門の、書類審査を通過した作品の現物による審査発表があるので、共同製作者の芦田俊一氏と、会場の東京ドームに足を運ぶ予定にしています。
非常に規模の大きな食器と食空間コーディネートの展示会と言うことで、大切な器の勉強の機会にしたいと思います。
少しずつ活動の幅を広げながら、多くの方に喜んでいただける作品づくりを目指して、活動していきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

DSC09877

 

 

 

 

 

 

2015年1月1日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ